AIチャットボットは、どうやって答えを書いているの?
AIチャットボットは、大規模言語モデルを使って、トークンと呼ばれる小さな言葉のかけらを1つずつ書いていきます。それまでの文章のあとに来そうな度合いで、次のトークンの候補すべてに点数をつけ、1つ選んで足し、またくり返します。事実を調べるのではなく、ありそうな言葉を予測しているので、大事な答えは確かめましょう。
▶ やってみようなぜ大切なのか
チャットボットは答えを調べているのではありません。次のトークンを何度も予測しています。だから文章がなめらかで、答えが毎回変わり、まちがえることもあるのです。
6分後にできるようになること
- チャットボットは、ありそうな次の文章のかけらを選んで、トークンを1つずつ書きます。
- 温度の設定で答えが無難にも意外にもなるので、返事は毎回変わります。
- 自信ありげでよく書けた答えでも、まちがっていることがあります。大事なことは確かめましょう。
練習する内容
エンジンルームの中
カードをタップして、うらを見てみましょう。
- 🧩 トークンって何?
- 文章の小さなかけらです。1つの単語、単語の一部、句読点など。「信じられない」は「信じ」「られ」「ない」に分かれるかもしれません。
- 📚 Lumiはどうやって学んだ?
- 大量の文章を読んで、1つのゲームを練習しました。次のトークンをかくして、当てて、くらべて、調整する。それを何十億回も。
- 📊 何を予測しているの?
- 1つの言葉ではなく、次のトークンの候補すべてに点数をつけます。それまでの文章のあとに、どれくらい来そうかの点数です。
- 🔁 じゃあ、答えはどう出てくる?
- Lumiはありそうなトークンを1つ選んで文章に足し、また予測します。答えができあがるまで、言葉を1つずつ。
言語モデルになってみよう
次の言葉を選んでから、それぞれの候補がどれくらいありそうだったかを見てみましょう。パーセントは考え方を見せるための例で、本物のモデルの数字ではありません。
わざわざ手伝ってくれて、本当に ___
- ありがとう: 40% (いちばん確率が高い)
- 助かりました: 15%
- うれしい: 8%
- トラクター: 0.1%
- その他の言葉: 37%
フランスの首都は ___
- パリ: 85% (いちばん確率が高い)
- どこ: 5%
- リヨン: 1%
- その他の言葉: 9%
むかしむかし、あるところに ___
- おじいさん: 30% (いちばん確率が高い)
- 小さな: 15%
- ドラゴン: 5%
- トースター: 0.2%
- その他の言葉: 50%
- 温度: 低い. むかしむかし、あるところに、おじいさんとおばあさんが住んでいました。
- 温度: 高い. むかしむかし、あるところに、月へ行くのを夢見るトースターがいました。
架空の科学者ミラ・オカフォー博士がノーベル賞を受けた分野は ___
- 物理学: 30% (いちばん確率が高い)
- 化学: 25%
- 医学: 20%
- なし: 2%
- その他の言葉: 23%
質問から答えまで
あなたがLumiに質問します。手順を正しい順番に並べましょう。
- あなたがメッセージを送る
- 文章がトークンに分けられる
- モデルが次のトークンの候補すべてに点数をつける
- ありそうなトークンを1つ選んで文章に足す
- 答えができあがるまで、モデルがまた予測する
あなたにとっての意味は?
Lumiに同じ質問を2回したら、ちがう答えが返ってきました。なぜ?
- ありそうな言葉の中から、少しランダムに選んでいるから (答え)
- よく考えなおして、気が変わったから
Lumiがなめらかに、自信たっぷりに答えました。ここから何がいえる?
- 文章はうまいが、正しいかどうかは何もわからない (答え)
- こんなに自信があるのだから、正しいはず
覚えておこう
チャットボットは次のトークンを何度も予測しています。なめらか=ありそう、であって、正しいとはかぎりません。
チャットボットは次の言葉の予測マシン。なめらか=ありそう、であって、正しいとはかぎりません。
押さえておきたい事実
- 1951年、クロード・シャノンは、文章の次の文字を人に当ててもらう方法で、英語がどれくらい予測しやすいかを測りました。今の言語モデルがしているゲームの初期の形です。 · 出典: C. E. Shannon, Prediction and Entropy of Printed English, Bell System Technical Journal, 1951
- 今の大規模言語モデルの多くは、2017年の研究論文で発表されたニューラルネットワークの設計「Transformer」をもとにしています。 · 出典: Vaswani et al., Attention Is All You Need, NeurIPS 2017
- EUのAI法では、チャットボットのように人と直接やりとりするAIシステムの提供者は、見ればわかる場合をのぞき、相手がAIだと人にわかるようにしなければなりません。2026年8月2日から適用されます。 · 出典: EU Artificial Intelligence Act, Regulation (EU) 2024/1689, Article 50
- 言語モデルは、調べるための事実のリストを持っているわけではありません。モデルが「知っている」ことは、学習した文章のパターンから得た、モデルの中の数に散らばっています。
更新日:
よくある質問
大規模言語モデル(LLM)とは何ですか?
大規模言語モデル(LLM)とは、大量の文章で学習し、次のトークンを予測するAIモデルです。チャットボットはLLMを使って、返事を少しずつ書いています。
AIのトークンとは何ですか?
トークンとは、言語モデルが扱う文章の小さなかけらです。1つの単語、単語の一部、句読点などで、モデルは文章をトークンの並びとして読み書きします。
チャットボットは自分の言っていることを理解していますか?
人と同じようには理解していません。言葉のとても細かいパターンを学んでいるので役に立つ答えを出せますが、文が正しいかどうかを直接知る方法はありません。
AIチャットが同じ質問にちがう答えを出すのはなぜ?
チャットボットはふつう、いつもいちばん上の言葉を選ぶのではなく、ありそうな言葉の中から選んでいます。最初のほうでちがう言葉を選ぶと、言い方の、ときには中身のちがう答えになります。
関連用語
