次のトークン予測で、LLMはどうやって学習するの?
大規模言語モデルは、1つのゲームを何度もくり返して事前学習します。本物の文章を読み、次のトークンをかくして、何が来るかに賭け、本当の答えを確かめて重みを調整するのです。これを何兆回もくり返すと、この単純なゲームによって、文法、事実、推論のパターン、さらにはコードまで身につけることになります。
▶ やってみようなぜ大切なのか
事前学習には、答えを書いてくれる先生がいません。文章そのものが答えの表です。だからモデルはWeb全体から学べ、文法よりずっと多くのことを身につけるのです。
6分後にできるようになること
- LLMは、本物の文章で次のトークンを当て、当てるたびに調整して学びます。
- 文章そのものが答えの表なので、人がラベルをつける必要はありません。
- うまく当てるには文法、事実、推論、コードが役に立つので、モデルはそれをすべて身につけます。
練習する内容
Vireoの席に座ろう
どの行も学習用の文章から来ています。次のトークンに賭けてから、学習ずみのモデルがどう賭けを分けるか見てみましょう。パーセントは説明のための例です。
彼女はドアを開けて、部屋に ___
- 入った: 38% (いちばん確率が高い)
- 戻った: 20%
- 向かった: 12%
- そっと: 6%
- ドア: 0.1%
- その他の言葉: 24%
水が凍る温度は ___
- 0度: 72% (いちばん確率が高い)
- セ氏: 10%
- 、: 5%
- 100度: 3%
- その他の言葉: 10%
葵はりんごを3個持っていて、4個買いました。いま持っているのは ___
- 7: 64% (いちばん確率が高い)
- 七: 12%
- 4: 3%
- たくさん: 1%
- その他の言葉: 20%
for i in range( ___
- 10: 30% (いちばん確率が高い)
- len: 26%
- n: 20%
- apples: 0.1%
- その他の言葉: 24%
日本語:ありがとう。英語: ___
- Thank: 82% (いちばん確率が高い)
- ありがとう: 3%
- Hello: 2%
- その他の言葉: 13%
となりの家のネコの名前は ___
- モモ: 5% (いちばん確率が高い)
- ミケ: 5% (いちばん確率が高い)
- タマ: 4%
- レオ: 2%
- その他の言葉: 84%
事前学習の1ステップ
練習ゲームの1ターンを順番に並べましょう。
- 学習データから、本物の文章をひと続き取り出す
- 次に来るトークンをかくす
- Vireoが、次のトークンの候補すべてに賭ける
- 本当のトークンを見せて、Vireoがどれくらいおどろいたかを測る
- 本当のトークンの確率が上がるように重みを少し動かす
- 1トークンずらして、もう一度
このラウンドで学ぶのは?
空欄ごとに、ごほうびがもらえる力がちがいます。仕分けましょう。
- ネコ_寝ている。(が) → 文法
- いちばん大きな惑星は_(木星) → 事実
- 12 + 30 = _(42) → 推論
- 昨日、学校に_。(行った) → 文法
- 海面の高さで、水は_℃で沸騰する。(100) → 事実
- 蓮は湊より背が高く、湊は悠真より高い。いちばん低いのは_(悠真) → 推論
覚えておこう
事前学習は1つのゲームです。次のトークンを当て、確かめ、調整する。何兆回もくり返すと、言葉よりずっと多くのことを教えてくれます。
「次のトークン当て」という1つのゲームが、文法、事実、計算、コードをまとめて教えます。
押さえておきたい事実
- 1951年、クロード・シャノンは、人に文章の次の文字を当ててもらうことで、英語がどれくらい予測しやすいかを測りました。 · 出典: C. E. Shannon, Prediction and Entropy of Printed English, Bell System Technical Journal, 1951
- Llama 3は、15兆トークン以上の文章で事前学習されました。 · 出典: Meta, The Llama 3 Herd of Models, 2024
- GPT-3の学習用の文章の多くは、Webの公開アーカイブCommon Crawlをふるいにかけたものでした。 · 出典: Brown et al., Language Models are Few-Shot Learners, OpenAI, 2020
- 次の言葉を予測するよう学習しただけのモデルが、翻訳や要約などの作業を、そのための学習なしでも試みられるようになっていました。 · 出典: Radford et al., Language Models are Unsupervised Multitask Learners, OpenAI, 2019
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よくある質問
次のトークン予測とは何ですか?
大規模言語モデルの学習の課題です。文章を受け取り、次に来るトークンを予測します。モデルは候補すべてに点数をつけ、どれくらいはずれたかから学びます。
自己教師あり学習とは何ですか?
データ自身が答えをくれる学び方です。言語モデルは本物の文章の次のトークンをかくして当てようとするので、だれも手で例にラベルをつける必要がありません。
言葉を予測するだけで、なぜ事実を学べるのですか?
次のトークンの多くは、世界について何かを知っていないと当てられません。そこでまちがいを減らすために、モデルは事実のように働くパターンを重みにたくわえる必要があるのです。
LLMは、どれくらいのトークンで学習しているのですか?
いまの大規模言語モデルは、何兆ものトークンで事前学習されています。たとえばMetaは、Llama 3を15兆トークン以上で学習したと発表しました。
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